Z180-600mm f/5.6-6.3 VR にテレコンを装着すると画質は劣化するのか
2023年8月に購入して半年間使ってきたNikonの超望遠レンズ『Z180-600mm f/5.6-6.3 VR』
比較的軽量でそれほどデカくなく、先に所有しているZ70-200mm f/2.8 S VRでは届かなかった被写体にも寄れる実に楽しいレンズです。
購入時、レビュー記事を書きましたが…
その時は1km先の被写体を写していたので、今回は野鳥撮影で使われるであろう距離で改めて検証してみました。
画角の違いと解像度の違いを見てもらえたらと思います。
画像多めになります。ご覧の環境によっては画質に違いがあるかもしれません。ご了承ください。
検証してみる。
どのようにして検証するか考えて、野鳥撮影で参考になるであろう距離ということで10m、20m、30m、50mの距離でテレコン未装着、x1.4装着、x2.0装着のパターンで検証することにしました。
被写体も鳥の羽根がいいだろうと100円ショップで見つけた猫じゃらしの羽根を被写体としました。
検証日は2023年12月末。
天気は晴れ、無風時々微風。
撮影条件としては良い状況かと思います。
人や車の来ない安全な場所で行いました。
カメラはZ8。
ガードレールに羽根の猫じゃらしを貼り付け、巻き尺で距離を測り、それぞれの地点に移動して三脚を立ててシャッターブレしないようにセルフタイマー2秒に設定。手ぶれ補正はオフ。
絞り優先モードで絞りは開放。
光量は十分なのでisoは100。
露出補正は0
被写体は固定してありますが、実際鳥を撮る時はAF-Cで撮るだろうと思ってAFはAF-Cに設定。
AFエリアモードはシングルポイント。
各画角で3枚づつ撮影してその中から一番良く写っている写真を選びました。
画像は編集なしのJPEG撮って出しです。
※画像をクリックで拡大されます。
10m
まずは10mから。
鳥撮りでは近距離撮影かと思います。
被写体までの距離が10mということもあり、どの焦点距離でも解像度が高く、羽根のディテールも表現出来てます。
なるべく同じ画角になるようにトリミングもしてみました。
20m
20mは野鳥撮影で鳥によっては逃げられてしまう距離でしょうか。
20mでも羽根のディテールはまだ見て取ることができますね。
x2.0がわずかにディテールが落ちていますが、よく見比べないと分からないレベル。
30m
30m離れると意外と距離がありますね。
小型の野鳥相手ではもっと近寄りたくなる距離でしょうか。
やはり600mmではもう少し寄りたい気分になりますね。
それと羽根のディテールはだいぶ怪しくなってきました。
ここまでくると高画素機のZ8でもトリミングした画像を拡大表示するとピクセルの関係で600mmの画像が小さくなってしまいました。
トリミングした画像を見るとx1.4に比べてx2.0の画質が落ちているように見えます。
50m
30mから一気に50mまで離れます。
実際に撮影していると50mとなると結構遠いです。
猛禽類の撮影となるとこれくらいの距離が近距離になりますでしょうか?
50mとなると拡大しても流石に細かい羽毛のディテールは厳しくなりました。
トリミング画像もピクセルの差が出てしまいました。
野鳥をより綺麗に羽毛まで詳細に写したいとなるともっと近づくしかないですね。
結果と感想
ということでZ180-600mm f/5.6-6.3 VR にテレコンを装着すると画質は劣化するのかを検証してみましたがいかがでしたでしょうか。
結果としてはテレコンを装着することでの画質はx1.4ではほとんど劣化はわかりません。
x2.0ではわずかに劣化が見られました。
テレコンの有無というよりも、単純に被写体との距離が画質の劣化と繋がるといった当たり前な印象を受けました。
テレコン装着でもZレンズの描写力が優秀ってことか。
他にはテレコンを装着することでフォーカススピードに違いがあるのかというとx1.4では何も問題はありません。未装着並みに早いです。
x2.0テレコンを装着すると合焦迷うことが増え、フォーカススピードも落ちました。
それに実際の撮影では山や林など、薄暗い環境の場合もあるのでどうしても開放f値のハンデはありますね。
それからこれも当然ですが、テレコンを装着するとトータル質量が重くなり疲れの度合いが増します。
補足:ピントのこと
このレンズを今まで使ってきて気になっていたのですが、撮影後にPCで画像確認するとピントが甘いことが結構あるように思います。
実際うまく撮れたつもりでも、帰宅して画像チェックすると微妙にピントが合ってないということがよくありました。
今回の検証でも3枚撮影して1枚目のピントが合っていない確率が高かったです。
これはレンズのせいなのか ボディのせいなのかわかりませんが、今回の検証で改めて撮影の際は1枚だけでなく複数枚を撮影して『せっかくいいのが撮れたと思ったのにピン甘写真でがっかり』なんてことが起こらない工夫が必要だと感じました。
検証してみて自分でもこのレンズとテレコンの特性(癖?)が改めてわかった気がします。
最後に
600mm単焦点レンズの画質も気になりますが、私としては180mmから600mmまで臨機応変に自由に画角を変えられるこのレンズが扱いやすく、買って良かったと思っています。
ほんと、このレンズは取り回しも良く、価格も控えめなのに良く写るのでおすすめです。
このレンズとテレコンについて気になっている方の参考になれば幸いです。